「今のイラン代表は多くの価値を持っている、それを今大会で結果に残す」。つい最近イラン代表監督ケイロスさんが述べた言葉です。
今の若手を中心としたイラン史上最高の世代と、圧倒的な成績でW杯行きを決めたアジア予選で得た自信が、この言葉を生んだのでしょう。
確かに長い歴史の中でW杯1勝しかしていないイラン代表ですが、今大会は志高く臨んでもおかしくはないです。(相手が悪いだけです…)
それほどレベルの高さを随所に感じます。
今回はそんな「アジア最強」のイラン代表の注目選手や、予想スタメン・フォーメーション等を紹介していきます。
サッカーイラン代表の紹介!
W杯アジア予選の成績
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2次予選を6勝2分けで首位通過。
その後の最終予選(3次予選)はグループAを6勝4分け0敗、首位でW杯行きを決めます。
この最終予選は日本とは違うグループでしたので、日本と比べて判断するのは難しいですが、参考までに10試合で10得点2失点を記録し、2位の韓国に勝ち点7も差をつけています。
特に失点数が凄いですよね。
またこの予選中に、12試合連続クリーンシートというとんでもない記録も作っています。
最新FIFAランキング
アジアトップの36位です。
少し高いなぁと思いますけど、まあ妥当な順位ですね。
ちなみに日本代表は、ここ5年間ずっとイラン代表に負けているんですよね。
国際大会での成績
2014W杯に続いて、初となる2大会連続の本戦出場です。
前回は最後に負けてしまいましたが、アルゼンチン代表相手に奮闘して(91分にメッシの決勝弾)、会場中から大きな拍手を受けたことで、記憶に残っている方も多いでしょう。
2015アジアカップはベスト8を記録。
3年前ですが、結果は残せていませんね。尚更、今回のW杯で結果を出したいことでしょう。
イラン代表の予想スタメン・フォーメーション
アリ・レザ・ビランヴァンド(ペルセポリス/イラン)
DF
ミラド・モハマディー(テレク・グロズヌイ/ロシア)
ルーズベヒ・チェシミ(エステグラル/イラン)
モルテザ・プーラリガンジ(アル・サッド/カタール)
ラミン・レザイーアン(オーステンデ/ベルギー)
MF
サイード・エザトラヒ(アムカル・ペルミ/ロシア)
エフサン・ハジサフィ(オリンピアコス/ギリシャ)
サマン・ゴドス(エステルスンド/スウェーデン)
メフディ・タレミ(アル・ガラファ/カタール)
アリレザ・ジャハンバクシュ(AZ/オランダ)
FW
サルダル・アズムン(ルビン・カザン/ロシア)
試合と今季のパフォーマンスを参考にしています。
戦術をちょっと説明
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予選同様に4-2-3-1を継続していくでしょう。
一応より攻撃的な4-1-4-1も強化試合で試していますが、相手を考えたら、本番で採用するとは思えません。
また予想スタメン以外にも、優秀な選手はいまして、
オランダのヘーレンフェーンに所属しているレザ・グーチャンネジャード、
イングランド2部のノッティンガム・フォレストに所属しているアシュカン・デジャガは
ベンチに置いておくのがもったいないレベルなので、それぞれ2列目と中盤センターで出てくる可能性もあります。
イランに関しては、守備に是非注目して下さい。
確かにアジアと世界のレベルはかなり違いますが、2011年からイラン代表の指揮を取り続けているケイロス監督の守備組織は本物です。
もちろんラインを低く設定して、DFを中心にして絶対的に弾ける強さ、最後のところの粘り強さも見事なのですが、
このイランの守備に関しては、互いのポジションを理解しながら連動した、落ち着きのあるプレッシングスタイルがとても良く機能しています。
4年前のアルゼンチンを相手取った時のように、相手にリズムを作らせないで、フラストレーションを溜めさせることも得意としています。
もともとこのように守備力は、ブラジル大会で多くの称賛を浴びるほど高い物を持っていました。
しかしどこかでカウンター攻撃の機会を作らないと、連続して攻撃が続き、どうしても失点してしまいます。
これを解決してくれる絶対的なタレントと共に、チーム全体が近年急成長してきたのです。
その前線を引っ張るアズムンとジャハンバクシュは、それぞれ欧州で結果を残しているほどの逸材です。
彼ら二人の個人技を活かしながら、全体が若いチームなので勢いに乗り、よりカウンター時に迫力を出せるようになってきています。
しかしW杯で本当に結果を残すためには、攻守ともにさらなる向上が必要です。
特にCBの二人は普段はカタールとイランでプレーしていますが、どこまで無敵艦隊の切れ目のない攻撃や、ロナウドという絶対的なストライカーに対して耐えられるのでしょうか。
前大会や今予選の実績はありますが、少々不安です。
また迫力は出てきたとは言え、同格以上にチームを相手取ると、どうしても守備に重きをおくので、前線のアズムンが孤立してしまいがちなので、それも解消しなければなりません。
2列目の運動量に期待ですね。
イラン代表の注目選手を紹介!
羨ましいくらいに、若い世代がポンポン出てきたイラン代表、その選手達を見ていきます。
サルダル・アズムン
23才にして、すでに5年もロシアリーグでプレーをしているルビン・カザン所属のFWです。
間違いなく現在のアジアで、最高のストライカーと言えます。
「ペルシアのイブラヒモビッチ」と呼ばれ湛えられていることから分かるように、ストライカーとしてのシュートの技術、ヘディングの強さ、ポストプレーの上手さ、どれも高水準に備えています。
その中でも一番得意としているのはポストプレーだと思います。ロシアのDF達を物ともせずに、高確率でボールを収めてくれます。
アズムンが攻撃の起点となるので、アズムンの出来がそのままイランのW杯を左右するでしょう。
代表ではここまで32試合23ゴールと、驚異的なペースで得点を記録していますが、よりシビアになるW杯では周りからのサポートが必須です。
アズムンのプレースタイルを詳しくまとめました↓
イラン最高のタレントと評されているアズムンの動画です。ヘディングの強さが際立っています!
SARDAR AZMOUN (سردار آزمون) – Welcome to LAZIO ● 4K
アリレザ・ジャハンバクシュ
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オランダのAZに所属している24才の右ウィングです。
今季オランダの地で大爆発しまして、主要なヨーロッパのリーグで、初めて得点王に輝いたアジア人の選手となりました。
オランダで21ゴール12アシストですからね、無茶苦茶凄いことをやっていますよね…
もともと2列目から足下のテクニックや高精度のパスで、チャンスを演出することは得意としていましたが、そこに自身でも決められるシュートセンスも加わりました。
今季のジャハンバクシュは、ゴールの近くでは本当に何でも出来るといった状態でしたので、この調子を維持してW杯に臨んでほしいです。
一方代表では、上のアズムンほど結果を残せてないので、そこが少し気になりますね。
ジャハンバクシュのプレースタイルをまとめました↓
ジャハンバクシュの動画です。イランからこんなテクニックのある選手が出てくるんですね…驚きです
Alireza Jahanbakhsh ● 2018 ● Skills, Passes, Assists & Goals ● AZ
サイード・エザトラヒ
ロシアのアムカル・ペルミに所属している21才のMFです。
「ペルシアのポグバ」とも評されていますが、より守備的な役割を得意としています。
パスの精度が非常に高くて、中盤の底から長短共にかなり鋭いパスを供給して、試合を作ってくれます。
イランの場合ですと、このエザトラヒがボールを奪って正確なロングボールでカウンターを展開していく形になると思います。
パスも高水準に散らせて、190cmと身長も高いので、非常にスケールが大きい選手ですよね。
また21才にして代表25試合に出場しています。監督の信頼の高さが伺えます。
非常に若いので今回のW杯だけでなく、その後の移籍先も気になりますね。
エザトラヒの動画です。21才にしては完成度が高いです!
Saeed Ezatolahi – FC Amkar Perm & Iran
アリ・レザ・ビランヴァンド
国内強豪のペルセポリスに所属している25才のGKです。
192cmの長身は空中戦の強さはもちろん、飛び抜けたビッグセーブにおいても役立ってくれます。
身長が高くて手足が長いので、無茶な範囲に手が届くんですよね。
一方足下のボールの処理は苦手としています。
W杯では対戦相手が対戦相手なので、このビランヴァンドが多く試されることになるでしょう。
余談ですがこのビランヴァンド、決して裕福とは言えない羊飼いの家庭で産まれ、これまで車の清掃や洋裁工場、ピザ屋などで働いた経験があります。
そんな苦労してきて、今回W杯ですからね…作り話のようです。
ビランヴァンドのセーブ集です!
Alireza BEIRANVAND | Iran | Perspolis FC (Fenerbahçe ?) | Saves | 2017 | 720p(HD)
サマン・ゴドス
スウェーデンのエステルスンドに所属している24才のCFです。
代表ではセカンドストライカー気味でプレーすると思います。
アーセナルファンの方は覚えているでしょうか?エミレーツでの2戦目では、彼のスピードが多くの攻撃を作っていました。
またプレー範囲が広いので、チームのパスのはけ口としても機能します。
カウンターアタックの際、上手く最前線のアズムンを孤立させないように、このゴドスには期待したいですね。
ゴドスの動画です。このように攻撃のタレントは揃っているので、上手くミックスしてくれないもんですかね…
Saman GHODDOS | Iran | Östersunds FK | 2017/18
イラン代表のまとめ
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イラン代表はW杯ではモロッコ、スペイン、ポルトガルと同組のグループBで、
6月16日(土)の0:00にモロッコ (ガスプロム・アリーナ)
6月21日(木)の3:00にスペイン(カザン・アリーナ)
6月26日(火)の3:00にポルトガル(モルドヴィア・アリーナ)
となっています。(時間は日本時間、かっこ内は試合会場です)
贔屓目にイランの紹介をしましたが、現実的な目標はグループリーグ突破ではなく、勝ち点1でも確保することでしょう。
スペイン、ポルトガルはもちろんですが、今のモロッコも非常に完成度が高くていいチームです。正直モロッコにも勝てるとは思えません。
しかしここで勝ち点を取れないと、日程的にどんどんきつくなっていくんですよね…
せっかくいいチームなのに、このグループではもったいないですね。
また大会前から次のことを考えるのはよくありませんが、このイラン代表は殆どの中心選手が20代前半と、将来性が抜群なのです。
なのでこのロシアW杯で、他では味わえない経験を手にして、各々ステップアップの移籍をしていったら、4年後のカタールでかなり面白い存在になるのではないでしょうか。
将来を楽しみにしながら、今大会は応援しようと思っています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
良きワールドカップライフを!
色々まとめましたのでどうぞ↓
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