面白いニュースがスコットランドから飛んできました。リバプール、イングランドで長く活躍したジェラードが、スコットランドの名門レンジャーズFCの監督に就任するようです。
まさかいきなりレンジャーズFCの監督とは…降格した時のイメージが強くてちょっと心配です。
賛否両論あるとは思いますが、ジェラードの指導者としてのキャリアが、本格的にスタートするのは素直に楽しみですね。
今回はそんな気になるレンジャーズFC(サッカー)やその登録選手などをまとめました。
レンジャーズFCは降格したことがある?順位や選手は?
スポンサーリンク
レンジャーズFCはスコットランドリーグ1部に所属している国内屈指の名門チームです。
1872年に創設され、現在まで国内リーグ54回の優勝を誇っています。
あのマンチェスターユナイテッドですら20回ですから、レンジャーズFCの凄さが分かりますね…
スコットランド最大の都市グラスゴーをホームタウンとしていて、同じくグラスゴーをホームとするセルティックとは、オールドファームと呼ばれる激しいダービーマッチを展開しています。
スコットランドのチームは、国内でしか強さを発揮しないと言われがちですが、レンジャーズFCは10年前の2008年UEFAカップの決勝にまで駒を進めています。結果は惜しくもゼニトに負けてしまいましたが…
ちなみにこちらがレンジャーズFCのユニフォームです。非常にカッコいいですよね。
Embed from Getty Images
破産して降格したことがあるレンジャーズFC
国内を中心に絶対的な強さを見せつけていたレンジャーズFCですが、2012年に多額の負債を抱え破産宣告されてしまいます。
この宣告を受けて、翌年には4部まで降格してしまいます。
4部はスコットランドリーグの最下部ですから、そこまで降格させるという事はかなり深刻だったんですね。
それまで一度も2部にすら降格したことがなかったので、クラブだけでなくファンにとっても大きな衝撃だったと思います。
しかし流石に自力はあったので、一昨年の2016年にはスコットランド1部に昇格を果たしています。
昇格1年目の昨シーズンの順位は3位、今シーズンもここまで3位につけています。
レンジャーズFCにはどんな登録選手がいるの?
意外と言ったら失礼ですが、ビッグクラブに在籍したことがある選手は複数います。
去年の夏獲得したCBのブールノペレスは、ポルトでキャプテンを務めていた実力者ですし、トッテナムやポーツマスで長くプレーしていたニコ・クラニチャールもつい最近まで在籍していました。
またリバプールのトップチームに出場したこともあるロシターやダニー・ウィルソンも在籍しています。
その他にも決して有名ではないですが、結果を残している実力者は揃っています。
この選手は右サイドバックのジェームス・タバーンアーです。
彼は決して大柄ではないですが、運動量が豊富で、非常に攻撃参加が得意です。現在は暫定的にチームのキャプテンを務めています。
なんとプレミアリーグのエバートンやスウォンジーが狙っているとの噂もあります。実現したら大出世ですね。
Embed from Getty Images
こちらの選手は右ウィングを務めるダニエル・ジョアン・サントス・カンデイアスです。
彼はサイドからどんどんクロスを上げる典型的なウィングタイプの選手です。
守備にもよく貢献しますし、遠目からのシュートも好みます。
つい最近契約を延長したので、これからもレンジャーズFCとジェラードを支えてくれるでしょう。
次のこの選手はトップ下のジョッシュ・ウィンダスです。
トップチームでの出場はないですが、現在プレミアに所属しているハーダスフィールドのユース出身です。
彼は今シーズン17ゴール8アシストを挙げ、攻撃の中心となっています。
非常に攻撃的な選手で、シュートの意識が高いです。もちろんそれなりに外していますが…
トップ下のポジションですが、足下の技術がそれほど高くないので、よりダイレクトなプレーを好みます。また前線からしっかりプレスをかけてくれます。
最後に紹介する選手は、このアルフレッド・モレロスです。
昨夏フィンランドのヘルシンキから獲得し、ここまで18ゴールを挙げているフォワードです。
今シーズンのスコットランドリーグで一番いい補強ではないかと言われています。
まだ21才と非常に若いのに、母国のコロンビア、フィンランド、スコットランドと行く先々で必ず活躍しています。この適応性を買われたのでしょうか、昨冬早速移籍の噂が出ていました。
中国の広州恒大がかなり積極的に動いていたようで、移籍直前だったようです。
中国のスカウト網はここまで来ているのですね、びっくりです。
またイングランド2部のブリストル・シティが獲得に動いているようです。
これを受けて、モレロスはイングランドでプレーをしたいと発言しています。いい選手ですが、いずれは引き抜かれてしまうでしょう。
ジェラード監督のプロフィールと経歴
一応ですが、ジェラードの方にも触れておきます。
名前:スティーヴン・ジョージ・ジェラード
生年月日:1980年5月30日(37才)
身長:186cm
体重:83kg
国籍:イングランド
ポジション:MF
背番号:8
リバプール生まれのリバプール育ちのスカウサーです。
ユース時代も含めると28年もリバプールに在籍し、ずっとリバプールを支え続けていた名選手ですね。
リバプールでは504試合、イングランド代表としては114試合に出場しています。
リバプール退団後は、アメリカのロサンゼルスギャラクシーに移籍し、2016年には引退を表明しました。
彼をクラブ以上の存在だと思っている方もいるのではないでしょうか。
2017年からリバプールU18の監督に就任しています。またBTスポーツで解説も務めていますね。
スコットランドリーグでのレンジャーズFCの強み、弱み
スポンサーリンク
前述のように現在リーグ3位のレンジャーズFC。一昨年1部に昇格したばかりですが、持っている力はやはり他所のクラブとは違います。
今シーズンは攻撃陣が大きく爆発しています。
チーム総得点がなんとセルティックを抑えて、スコットランドリーグ堂々1位です。
全38試合で76得点ですから、一試合平均2点です。非常に攻撃力はありますね。
特に右サイドからの攻撃は非常に迫力があります。
前述のタバーンアーとカンデイアスの右サイドコンビがタイミングよく進入し、丁寧なクロスを前線のモレロスやウィンダスに供給しています。
また前線からの守備もかなり徹底されているので、カウンターもよく見かけます。
一方左サイドは右に比べるとそれほど機能していません。
左のウィングにこれ!という選手が固定されていないので、左サイドバックのデクラン・ジョンと上手く連携で崩すことが出来ていません。
この左サイドバックのデクラン・ジョン自体は攻撃が好きで、かなりいい選手なだけにもったいないです。
もう少しピッチ全体を大きく使いながら攻撃できれば、更に面白い攻撃を展開する事ができると思います。ここは来季に期待です。
今季のレンジャーズのベストゲームの一つです!右サイドの攻撃に注目です!
Rangers vs Dundee 4-0 (Highlights & Goals) Scottish Premiership
このようにレンジャーズはセルティックに負けず劣らず素晴らしい攻撃力を有しています。これは断言できます。
ですがいい攻撃だけで上位は狙えません。このレンジャーズFC、おせじにも守備がいいとは言えません。
なんと今シーズン50失点を喫しています。この数字はセルティックの2倍の数です。
CBを固定出来ていませんし、SBが上がったスペースを上手くカバーする役割もチームで徹底されていません。
チーム全体のラインが高いので、ふとした瞬間に決壊してしまうことが多いです。
またレンジャーズFCは基本的に国内では、優位に試合を進めることが出来ます。
普段からこれに慣れているからなのでしょうか、同格以上のチームと戦うと、非常にもろくなってしまいます。
特に同国の絶対的なライバルセルティックを相手取ると、別チームのように失点を重ねてしまいます。
これはメンタルの問題なのでしょうか、セルティックとのダービーマッチ(オールドファーム)があったのですが、5失点し敗北しました。
力の差があるとはいえ、流石にこれはいただけないですね。
ジェラードがまず手を打たなければならないのは、このメンタルを含めた守備の整備でしょう。
しかし、その任務はジェラードに向いているのでしょうか?
現役時代はボックストゥボックスのMFでしたが、守備よりも攻撃のほうが好きな選手でしたし、現在師事しているクロップも攻撃タイプの監督です。
どこからそのようなノウハウを仕入れてくるのでしょうか、守備が得意な恩師ベニテス監督ですかね。
メンタル面に関しては、ジェラードほどいろいろな経験をしてきた選手はいないでしょうから、いい影響を与えてくれそうです。
またユナイテッドやエバートンと激しいダービーマッチを経験していますので、セルティックとのライバル関係を再認識させるのも上手く出来るでしょう。
どのように守備、メンタルを整備してくれるのか非常に楽しみですね。
ジェラード監督が直面するレンジャーズFCでの課題
ピッチ上で多くの問題を抱えていますが、実はより深刻なのはピッチ外の問題です。正直新任の監督にはおすすめできないような環境です。
このピッチ外の問題がパフォーマンスに影響しなければいいのですが、果たしてジェラード監督はこれらを乗り越えられるのでしょうか。
レンジャーズFCの財政面
ジェラードを新しい監督に据える大きなメリットの一つは、彼のコネや名前を上手く使えば、より良い選手を獲得出来ることです。この選手の補強はチームを強くするための一番の近道です。
ではレンジャーズFCは移籍市場で大きく動けるのでしょうか?
動くためには、予算が多くないといけません。多くの新聞では、そのためにオーナーが移籍市場で大きくバックアップすると約束していますが、果たして可能なのでしょうか?
前述の通りレンジャーズFCは財政破綻し降格を経験しています。そして新オーナーのもと再スタートし、現在は1部リーグに戻ってきています。
その間健全な経営を謳っていたのですが、実は昨年の12月に670万ポンド(約10億円)の当期純損失が、生じることを発表しています。
この状態で多くの移籍金を支払うことが出来るとは思えません。またジェラード人気などで、大きく歳入を増やせるとも思えません。
ローン移籍などでやり繰りしていくのが現実だと思いますが、どうでしょうか。
例えばもうSNSなどでは話が出ていますが、リバプールの優秀な若手を、経験を積ませながら戦力としてレンタルで獲得する。
これはまだ現実的ですよね。ウッドバーンや更に若いブリュースター等は、流石にリバプールのトップチームはまだまだ早いです。
一方下の世代で無双するぐらいなら、給料の支払いをクラブ間で折半してトップでの経験を得る方がありだと思います。実現すれば、双方にとって理想的なレンタル移籍ですよね。
でも話に出ているのは攻撃の選手ばかりなんですよね…レンジャーズが今必要な選手はCBだと思います。
ちなみにもう来夏の移籍の話は別口で進んでいまして、来季フリーになるバーンリーのアーフィールドの獲得に成功しています。
この選手はふくらはぎの怪我でここ最近は離脱していますが、年が明ける前を中心にバーンリーで多くプレミアの試合に出場しています。
またシティ、ユナイテッド、リバプール、チェルシーとの試合にもしっかりと出場しています。この経験はチームにいい影響を与えてくれそうです。
レンジャーズFCのドレッシングルーム内での規律
ピッチの成績を誰かにあたってはいけません。ましてや監督になんか絶対ダメです。レンジャーズFCではそんなことが起きていたのです。
もう謝罪をして和解はしましたが、上記のカンデイアスとアンディー・ハルイデイという選手が、ベンチに向かってよろしくない言葉を吐き捨てたことがあります。
またクラブに長く在籍しているミラーと当時キャプテンであったウォレスという選手たちも、監督に批判的な発言をし、しばらくベンチにも入れてもらえないなんてことも発生しました。
これらが同一シーズンに起きているのです。
このへんの規律もしっかりとしなければならないでしょう。ジェラード監督の前途は多難です。
スコットランドリーグ最大のライバルであるセルティックの存在
スポンサーリンク
同じスコットランド最大の都市グラスゴーをホームとするレンジャーズとセルティックですが、そのダービーマッチのオールドファームは本当に熱いです。
ファンのこの試合だけは勝ってくれと言う声は非常に多いです。
ですがレンジャーズ自身はその気持ちに応えきれていません。今シーズンはリーグ戦とカップ戦合わせて5回対戦しているのですが、結果は1分け4敗と完全に力の差を見せつけられています。
それだけではありません。
先程述べた昨日のゲームは、セルティックのホームゲームで、勝ったらセルティックの優勝が決まる。このようシチュエーションだったのです。
そこで5-0で完敗してしまいました。4月にあったマンチェスターダービーで、シティが5-0でユナイテッド下して優勝を決めるようなものです。こんなことをしたら、ファンは怒り心頭ですよね。
もちろんクラブの規模等は違いますが、どれほど異常なことが起きているか分かっていただけると思います。
言葉で言うのは簡単ですが、どうにか手を打たなければなりません。
この動画がその5-0でセルティックが勝利した試合です。むしろこのチームからどのように成長させていくのか楽しみです!
それにしてもセルティックはいいチームですね。
Celtic hammer Rangers to win the title
直接対決だけでなく、セルティックはシーズンを通してレンジャーズに差を見せつけています。現時点で勝ち点差13、しかも今年で7連覇です。もう止まりません。
ちなみに今のセルティックは、昔リバプールの監督を務めていたロジャーズさんが指揮しています。
彼はこのスコットランドの地では本当にいいチームを作っています。有名なデンベレが怪我で離脱していても、チームは大きく弱体化しません。
現時点ではどの面においてもセルティックの方が優れていると言えるでしょう。
これはレンジャーズFCのファンからしたら、かなり悔しい現状だと思います。
もしかしたら、ジェラードが監督になっても屈辱的な負けを喫してしまうかもしれません。
そこでレンジャーズのファンがカッとなって、解任要求をしてしまうことがないように祈ります。
今のセルティックに追いつく任務は簡単なことではありません。
しかし若いジェラードに任せるということは、フロントは長い目で見るつもりなのでしょう。ファンももちろん現状を受け入れて、忍耐強く進んでいって欲しいです。
まとめ
ここまでいろいろとネガティブなことを書いてしまいましたが、個人的には今回の挑戦は成功して欲しいです。
今のレンジャーズFCで何が明確な成功というのかは分かりませんが(正直今のセルティックには追いつけないですよ…)、この環境で成功すれば絶対に本人の力になります。
またステップアップの話も出てくるでしょう。夢であるリバプール監督の話も出てくるかもしれません。
ロジャーズ監督と共に、プレミアに挑戦というのも面白そうですね。夢が広がります。
少し話はそれてしまいますが、同国のギャリー・ネヴィルもいきなりバレンシアの監督に就任しましたよね。しかもシーズン途中です。
決して彼だけの責任ではないはずなのに、監督キャリア一発目でいきなり大失敗すると、しばらく声がかからないイメージがあるので、頑張って欲しいです。
どうせなら同世代のイングランドのレジェンドたちも、みんな挑戦してくれないでしょうか。プレミアリーグで若くて優秀なイングランド人監督が指揮する姿を見たいです。
追記5月4日:レンジャーズが正式にジェラード監督の誕生を発表しましたね!所属選手達にいい影響を与えてくれることでしょう!
#RangersFC are delighted to confirm that Steven Gerrard has agreed to become the new manager of the Club. pic.twitter.com/uUOVnJWI7I
— Rangers Football Club (@RangersFC) 2018年5月4日
コメント